バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

 歴史からの議論(The argument from history 歴史の事実や教訓からの議論?)は、現代の状況に適用すると誤りになりがちである。戦争は(今では)かつてよりも深刻な問題になっている。戦争は依然として今でも問題を解決できるが、間違った方法で解決できるだけである。

The argument from history is very apt to be fallacious as applied to modern conditions. War is a more serious matter than it used to be. War can still settle problems, but it can only settle them the wrong way.
Source: Munich Rather Than War, 1939
In: Nation(New York), v.148: 11 Feb. 1939, pp.173-175.
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<寸言>
 "settle"には「解決する」とか「終わらせる」という意味があっても、必ずしも、「正しく」というニャンスが含まれていないことがわかる一文です。

 ラッセルは第一次世界大戦には反対しましたが、第二次世界大戦は連合国側につきました。これに対し、「絶対平和主義」をとる人々からは、ラッセルの「平和主義」は矛盾していると攻撃されました。
 しかし、ラッセルは可能な限り、戦争をさけたいと努力しましたが、ナチスの残虐ぶりを聞くにつけ、また、交渉に応じそうもないと判断するや、ナチスは倒さないといけないと態度を決めました。
 本日引用したのは、Nation誌(New York),に発表した小論「Munich Rather Than War」の一節であり、なんとかして戦争をさけたいと考えていた時の発言です。
 なお、ラッセルは「絶対」平和主義者ではなく、平和「優先]主義者であり、ラッセル自身、ガンジーのような「絶対」平和主義を唱えたことは一度もないと言っています。ナチスのように、強制収容所のガス室で大量に人間を「焼却処分」するような人達に、ガンジーのような絶対平和主義はとれないというわけです。 

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