ラッセル英単語・熟語1500 |
これ(注:前文継承)が ー米国では科学的に正当化できないほど信頼されているが、英国ではあまり使われていないー 知能テストの長所である。知能テストの長所は、間違いがないということではなく ー いかなるテストも無謬ではありえず、知能テストは全体として多少とも正しい結果が得られるだけである- 通常のタイプの試験で要求されるような疲弊し神経をすり減らすような準備を必要としないということである。
This is a merit in the intelligence tests, which are too little used in England, though in America they are relied upon to an extent for which there is, to my mind, no scientific justification. Their merit is not that they are infallible-no test can be that but that they bring out more or less correct results on the whole, and that they do not demand the exhausting and nerve-racking preparation which is required for the usual type of examination.
Source: Education and the Social Order, 1932.
More info.: https://russell-j.com/cool/ESO_1932.pdf
<寸言>
完全なテストなどというものはなく、現在の入学テストの大部分は、選抜テスト(定員が決まっているので、定員内におさめるための足切りテスト)にすぎません。(東大教授でも一浪してから東大に入った人もそこそこいます。) 一方、知能テストなどで「神童」と言われた人が、30歳をこえたら、「普通の」優秀な人になってしまうことも少なくありません。
碧海純一氏(故人/ラッセルの研究者で東大法学部教授)は、「バートランド・ラッセルの魅力」(みすず書房版「バートランド・ラッセル著作集・月報」)のなかで、「・・・。しかし、アリストテレス、カント、ミルその他とともに、ラッセルが最高クラス(おそらくIQ200程度?)に入ることはまちがいないように思える。」と書いています。ラッセルの能力は、知能テストをしなくても、実績によって証明されていますが・・・。
https://russell-j.com/AOMI-01.HTM
ネット上(YouTubeなど)でも、自分のIQの高さを「売り」にしたり、「メンサ」の会員であることを「売り」にしたりしている人がけっこういますが、ラッセルはもちろんそんな「はしたないこと」はしません。
#バートランド・ラッセル #Bertrand_Russell