ラッセル英単語・熟語1500 |
スピノザ(1843-77)は、偉大な哲学者の中で最も気高く、最も愛すべき存在である。知的には彼を凌ぐ者もいるが、倫理的には彼が最高である。当然の帰結として、彼は生前から死後1世紀にわたって、恐るべき邪悪さを持つ人物と見なされていた。彼はユダヤ人として生まれたが、ユダヤ人達は彼を排斥した。キリスト教徒も同様に彼を忌み嫌った。そうして、彼の哲学全体が神の概念に支配されているにもかかわらず、キリスト教正統派は彼を無神論者として非難した。
Spinoza (1843-77) is the noblest and most lovable of the great philosophers. Intellectually, some others have surpassed him, but ethically, he is supreme. As a natural consequence, he was considered, during his lifetime and for a century after his death, a man of appalling wickedness. He was born a Jew, but the Jews excommunicated him. Christians abhorred him equally; although his whole philosophy is dominated by the idea of God, the orthodox accused him of atheism.
Source: A History of Western Philosophy, 1945, Book 3, chapter 10: Spinoza, p.552
More info.: https://russell-j.com/cool/HWP_1945.pdf
<寸言>
岩波書店から『スピノザ全集』が刊行開始されたことで、今、スピノザ(1632-1677:オランダの哲学者)に光があたっています。そこで、ラッセル『西洋哲学史』の中のスピノザの章から引用してみました。
ラッセルが評価しているのはあくまでもスピノザの倫理学であり、哲学ではありません。ただし、私はスピノザの著作を直接読んでいないのでこれ以上のコメントはできません。
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