バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

 政治においても私生活においても、創造的なものを推進し、所有にまつわる衝動や欲望を減少させることが最高の原則であるべきである。

The supreme principle, both in politics and in private life, should be to promote all that is creative, and so to diminish the impulses and desires that center round possession.
Source: Bertrand Russell: Principles of Social Reconstruction, 1916, chapter 8: What We Can Do, ( Allen& Unwin Ltd., p.236)
More info.: (American ed. has title of: Why Men Fight: a method of abolishing the international duel )

<寸言>
 これはラッセルの最も基本的な考え方の一つで、同じような発言をいろんなところで述べています。
 一番有名なのは、第一次世界大戦中に出された Principles of Social Reconstruction(1916年刊 /『社会再建の原理』)に出てくる次の一節だろうと思われます。
The best life is the one in which the creative impulses play the largest part and the possessive impulses the smallest.
(最良の生活とは、創造的衝動が最大限に発揮され、所有衝動が最小限に現れる生活です。)

 これは、1915年夏に執筆され、第一次世界大戦中の1916年1月から3月にかけてロンドンのカクストン・ホールで連続講演され、多くの聴衆を魅了しました。たとえば、有名な英国の伝記作家のリットン・ストレイチーは次のように述べています。
「昨日いつもより疲れていたが……カクストン・ホールまで足をはこんだ甲斐があった。かれ〔ラッセル〕があらゆるものを見放してしまう図はまさに見ものだ--政府、宗教、法律、財産ばかりか、淳風美俗さえもかれにかかっては木っ葉微塵だ。まことに一大偉観というべし。それに、かれの建設的着想がこれまた雄大だ。かれは一旦こわしたものを集めてそれを組み立て、われわれの眼の前でそれを堂々と据えて見せる。今日、世界ひろしといえども、あれほど手強い男はほかにいまい・・・。」(A.ウッド『ラッセル伝』、碧海純一訳、一五九ぺージ)
 本書は1916年11月に出版され、また世界中で翻訳され、大きな影響を与えました。日本でも大正時代に3種類の訳(高橋五郎訳=1919年11月;松本悟朗訳=1919年12月;室伏高信訳=1921年8月)が出され、当時の知識人(与謝野晶子・鉄幹夫妻他)に大きな影響を与えています。
 なお、米国では、ラッセルの了解をとらずに、Why Men Fight: a method of abolishing the international duel というタイトルで翌年の1917年に出版されています。米国議会図書館が電子化して無料で利用できるようになっていますが、Why Men Fight というタイトルになっているために、利用を阻害しています。以下で閲覧やダウンロードができます。
 https://www.gutenberg.org/ebooks/55610

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