
![]() ラッセル英単語・熟語1500 |
ヨーロッパでもアメリカでも、どの大都市でも、ある地区の家は、他の地区の同じくらい良い家よりも、高価である・・・。人間の情熱の中で最も強力なものの一つは、賞賛され尊敬されたいという欲求である。現状では、賞賛と尊敬は金持ちに見える人に与えられる。これが、人々が金持ちになりたいと願う主な理由である。お金で買った実際の品物は、まったく二次的な役割を果たしている。
In every big city, whether of Europe or of America, houses in some districts are more expensive than equally good houses in other districts, ... One of the most powerful of all our passions is the desire to be admired and respected. As things stand, admiration and respect are given to the man who seems to be rich. This is the chief reason why people wish to be rich. The actual goods purchased by their money play quite a secondary part.
Source: Bertrand Russell : Sceptical Essays, 1928, p.85
More info.: Not available
<寸言>
田園調布や芦屋などの高級住宅に住んでいるだけで、「すごいですね」「うらやましい」といった、人をくすぐる言葉を多くの人からかけてもらえます。「いや、親から相続したもので、普段は質素な暮らしをしています」と「謙遜?」する人もいれば、「いや、たいしたことありませんよ、◯◯さんなんか私の家の3倍くらい広いですよ」と「謙遜?」する人もいます。
添付画像は、ラッセルがUCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)の客員教授をしていた時に借りて住んでいた(高級住宅地である)ビバリーヒルズの自宅(左)及びラッセル一家(右)の写真です(左の写真は「1940年3月30日撮影」と書かれています)。
ラッセルは英国の田舎が好きで、英国にいた時は田舎(都市の郊外など)の家(農家を改造したような家)によく住んでいましたが、米国では招待した大学などが用意したのか、妻(3番めの妻パトリシア)の趣味にあわせて選んだのか、都市の郊外ではあっても、そこそこの高級?住宅に住んでいたようです。
なお、ラッセルは1938年8月(?)に米国にわたり、シカゴ大学で「言語と事実」に関する講義をした後、翌年(1939年)3月にカリフォルニアに到着し、その年の9月からUCLAで講義をしていますが、それまでの間は、ルイジアナ州立大学などで講演旅行などをしています。そうして、1939年夏、第二次世界大戦が勃発したために、1944年6月に英国に帰国するまで、長い滞米生活を送ることになりました。
#バートランド・ラッセル #Bertrand_Russell