バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Ru
ssell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

 実際的な道徳の問題は、単なる意見の問題よりも、困難な問題を提起する。凶悪犯は殺人を犯すことが自分の義務であると正直に信じているが、政府はそれを黙認しない。良心的兵役拒否者はそれと反対の意見を正直に抱いているが、やはり政府は黙認しない。殺人は国家の特権であり、命令されずに行うことも、命令されても行わないことも、同様に(国家から見れば)犯罪である。

Questions of practical morals raise more difficult problems than questions of mere opinion. The thugs honestly believe it their duty to commit murders, but the government does not acquiesce. The conscientious objectors honestly hold the opposite opinion, and again the government does not acquiesce. Killing is a state prerogative; it is equally criminal to do it unbidden and not to do it when bidden.
Source: Political Ideals, 1916, p.66
More info.: https://www.gutenberg.org/files/4776/4776-h/4776-h.htm

<寸言>
 死刑制度がある国(日本や米国など)においては、一時的に激情にかられて殺人を起こしたり、このような人間は生かしておいてはいけないと確信を持って殺人をしたりすれば、裁判によって、死刑の判決がでることがあります。これは絶対にやってはいけないとされていることを行った場合ですが、戦場において、敵を殺さずに逃げる場合(敵前逃亡)も、規律の厳しい国においては、死刑になることがあります。これはやらなければいけないことをやらなかった場合です。
 つまり、政府は、政府が黙認できないことをやってもやらなくても、国民を死刑にできるという「特権」を持っていることになります。死刑制度を廃止した国は、「少なくとも」自国民を処刑する権利や権限を国家はもっていないと考えていますが、日本などはその権利や権限を国家が持っていると考えているということになります(法務大臣が死刑執行の許可を与えます)。
 世界の趨勢は死刑廃止に動いており、日本やアメリカは死刑制度賛成の立場を取り続けている数少ない国です。

楽天アフィリエイトの成果(ポイ ント)は本ホームページのメンテナンス費用にあてさせていただきます。ご協力よろしく お願いいたします!
#バートランド・ラッセル #Bertrand_Russell