ラッセル英単語・熟語1500 |
たいていの子供は、学校にいくようになるまでは(物事)を知りたがる。彼らを愚かで探究心のないようにするのは、多くの場合、授業のまずさにある。
Most children wish to know things until they go to school; in many cases it is bad teaching that makes them stupid and uninquiring.
Source: How to Read and Understanding History; the past as the key to the future.(Girard, kansas, Haldeman-Julius, 1943, 24 p. 22 cm.)
Repr. in: Understanding History, and Other Essays, 1957.
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<寸言>
子どもは大人と同じようにできるだけ早くいろいろできるようになりたいと思います。心身ともにできるだけ早く成長したいという衝動は生まれつきのものです。物心がつき始めるといろいろなことを知りたがりますが、親はその欲求にうまく応えられるとは限りません。
学校に行くようになると、小学校の低学年はみな知識欲旺盛ですが、高学年以降になると、教師の教え方のまずさなどによって、知識欲が減退していってしまうことはめずらしくありません。
これは、How to read and Understanding(1943年)からの引用ですが、日本語訳(市井三郎訳)が『世界の大思想全集第26巻 ラッセル』(河出書房)に収録されています(現在は絶版)。市井三郎氏はラッセル研究者として、また名訳者として、有名ですが、引用した部分の日本語訳は残念ながら少し不適切です。市井訳では以下のようになっています。
「たいていの子どもは、学校へ★ゆくようになるまでに★ものを知りたがるものであり、彼らを愚かで探究心のない子どもにするのは、多くの場合、授業のまずさにある。」
「・・・なるまでに」ではなく「・・・になるまで」と訳すべきではないでしょうか? 「ものごころついてから学校にあがるまではずっと好奇心はおおせいである」と言っているのであり、「学校にあがる★までに★ものを知りたがるものであり」というのは「変な」日本語です。たいしたことではないですが、気になります。
#バートランド・ラッセル #Bertrand_Russell