ラッセル英単語・熟語1500 |
私は死ぬ時、朽ち果て、自我は何も生き残らないだろうと信じている。私は若くはなく、そうして(しかも)人生を愛している。しかし、無になることを思って恐怖に震えることは軽蔑すべきである(と考える)。幸福は(いつか)終わりを迎えなければならないからといって真の幸福ではないというものではなく、思想や愛は永遠ではないからといってその価値を失うこともない。
I believe that when I die, I shall rot, and nothing of my ego will survive. I am not young, and I love life. But I should scorn to shiver with terror at the thought of annihilation. Happiness is nonetheless true happiness because it must come to an end, nor do thought and love lose their value because they are not everlasting.
Source: Whati I Believe, 1925
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<寸言>
こんな内容だとラッセルの晩年の言葉のように思ってしまいますが、この一節は、1925年(ラッセル53歳)に出された What I Believe という小冊子から採ったものです。
ラッセルは、生涯、キリスト教の厳しい批判者として、1970年(97歳の時)に「無神論者」のままで亡くなりました。
大抵の宗教では、自分の宗教に帰依する者は天国に行けるが、他の宗教(=邪教)を信じる者や無神論者は地獄に落ちるといって脅かします。そうして、どんな罪人でも死ぬ間際に信仰の告白をすれば天国にいけ(少なくとも地獄には落ちず)、生涯人類のために尽くしたラッセルのような人物でも、無神論者であれば地獄に落ちると説きます。
そんなことはおかしいと思わない信者は、いかなる宗教を信じているとしても、異常です。統一教会の信者も。
#バートランド・ラッセル #Bertrand_Russell