バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Ru
ssell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

 この二人(レーニンとトロツキー)と対照的なのはゴーリキーで、私はペトログラードで短時間インタビューをした。彼はベッドに寝ていて、どうやら重病のようで、明らかに意気消沈していた。彼は、私がロシアについて何か発言する時にはロシアがどんな苦しみを受けてきたかを常に強調してほしいと、懇願した。... 彼は私が会ったロシア人全ての中で最も愛すべき存在であり、私にとって最も共感できる存在であった。私は彼の考えをもっと知りたいと思ったが、彼はうまく話せず、ひどい咳の発作で絶えず中断されたので、私はそこにとどまることができなかった。

An extraordinary contrast to both these men (Lenin and Trotsky) was Gorky, with whom I had a brief interview in Petrograd. He was in bed, apparently very ill and obviously heart-broken. He begged me, in anything I might say about Russia, always to emphasize what Russia has suffered. ... I felt him the most lovable, and to me the most sympathetic, of all the Russians I saw. I wished for more knowledge of his outlook, but he spoke with difficulty and was constantly interrupted by terrible fits of coughing, so that I could not stay.
 Source: Bertrand Russell:The Practice and Theory of Bolshevism, 1920, chapter 3: Lenin, Trotsky and Gorky

<寸言>
 ロシアの国民的作家マキシム・ゴーリキーは『どん底』(戯曲/演劇)で知られていますが、私も含めて、TVなどでお芝居を視聴することはあっても、読んだことがある人はそれほど多くはないのではないでしょうか? (入試問題では名前と作品を結びつける問題にでたりします。)
 ゴーリキーは1868年生まれ(1936年没)なので、ラッセルよりも4歳年上です。ラッセルは革命直後の1920年にロシアを訪問していますので、ゴーリキー52歳、ラッセル48歳の時です。
 出典は、ラッセルがロシアから帰国してすぐに執筆して出版した著書(The Practice and Theory of Bolshevism, 1920:みすず書房刊の邦訳書名は『ロシア共産主義』)の第三章「レーニン、トロツキー、ゴーリキー」からです。私が所蔵しているものは第一版の初刷(?)と思われますが、「He was in bed, apparently dying and ...」と書かれています。何刷りで修正したか不詳ですが、ゴーリキーは1936年まで生きたことから、ラッセルは、流石にまずいと思ったようで、"dying" を "very ill"に修正しています。著作権がなくなったものを電子化して公開している Gutenberg のサイト(米国議会図書館)では、"very ill"に修正されたものが掲載されています。私も訳していてたまたま気が付きましたが、気がつく人はほとんどいないと思われます。 

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