バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Ru
ssell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

 私は哲学において意見を変える癖があると非難されてきたが、それが事実である限り、この辞書(=『バートランド・ラッセルの"心・物質・道徳"辞典』)を読めば、その事実を発見することができるだろう。私自身は、自分の意見を変えたことをいささかも恥じていない。1900年に既に活躍していた物理学者が、この半世紀の間、自分の意見は変わらなかったと自慢することを夢見るだろうか? 科学においては新しい知識が得られるようになると人は意見を変えるが、哲学は、多くの人の心の中で、科学よりむしろ神学に同化している。

I have been accused of a habit of changing my opinions in philosophy and, in so far as this is true, the dictionary ( = Bertrand Russell's Dictionary of Mind, Matter, and Morals,1952) will enable readers to find it out. I am not myself in any degree ashamed of having changed my opinions. What physicist who was already active in 1900 would dream of boasting that his opinions had not changed during the last half century? In science men change their opinions when newknowl edge becomes available, but philosophy in the minds of many is assimilated rather to theology than to science.
 Source: Bertrand Russell's Dictionary of Mind, Matter and Morals, ed. by Lester E. Denonn, 1952
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<寸言>
 引用文は、Lester E. Denonn 編の Bertrand Russell's Dictionary of Mind, Matter, and Morals,1952 へのラッセルが寄稿した序文の一節です。
 ラッセルは可能な限り明確にものを述べますので、科学の発展などにより、過去の自分の発言が正しかったか間違っていたかが明らかになることが多く、間違った発言も、ラッセルの読者にとって参考になります。これに対し、哲学者の多くはあいまいな述べ方をする者が多く、そういった場合は過去の発言の趣旨をごまかせるので、自分の考えが間違っていたことを正直に認めない人がけっこういます。そういった人の著書を読んでも余り役に立ちません。
 ラッセルは、自分の意見が間違っていたことが分かれば、軽微な間違いの場合は後の版や刷りで訂正をしますが、大きな間違いの場合は、過去の著書は歴史的ドキュメントとして残し、新しい著書を書いて出版します。滑稽なのは、多作家のラッセルの著書を一部しか読まずにラッセルの初期の著書の記述を批判して得意がる「研究者」がけっこういることです。

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