バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Ru
ssell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

 麻酔薬が発見されたとき、敬虔な人々はそれを神の意志から逃れようとする試みだと考えた。けれども、神がアダムの肋骨を取り出す時に、彼を深い眠りにつかせたということが指摘された。このことは、麻酔薬は男性にとっては正しいものであるが、女性はイブの呪いによって苦しむべきものであることを証明している(とされた)。欧米では(選挙における)女性票がこの教義の間違いを証明したが、日本では今日に至るまで、出産時の麻酔による(痛みの)緩和は一切許されていない(訳注:戦前の日本のことですが、現在も麻酔による無痛分娩はわずかとのことです)。日本人は創世記を信じないから、このサディズムには何か他の正当化があるに違いない。

When anaesthetics were discovered, pious people considered them an attempt to evade the will of God. It was pointed out, however, that when God extracted Adam's rib He put him into a deep sleep. This proved that anaesthetics are all right for men; women, however, ought to suffer, because of the curse of Eve. In the West votes for women proved this doctrine mistaken, but in Japan, to this day, women in childbirth are not allowed any alleviation through anaesthetics. As the Japanese do not believe in Genesis, this piece of sadism must have some other justification.
 Source: An Outline of Intellectual Rubbish, 1943, by Bertrand Russell
Reprinted in : Unpopular Essays, 1950
 More info.: https://russell-j.com/0811OIR.HTM

<寸言>
 華岡青洲(はなおか・せいしゅう、1760-1835)は、世界で初めて全身麻酔を用いた手術(乳がんの手術)を行いました。欧米で初めて全身麻酔が行われたのはその40年後ということなので、どうして日本では麻酔による無痛分娩が普及しなかったのは興味深いところです。それについては、次の論文が参考になります。
 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsts/21/0/21_1/_pdf
 大西香世「麻酔分娩をめぐる政治と制度― なぜ日本では麻酔による無痛分娩の普及が挫折したのか」

 自分に直接関係ないことに関しては無知であることが多いですが、国によって麻酔による無痛分娩の考え方や実施数の差が大きいことは驚きです。
 上記の論文によると、たとえば、(最も主流で安全性が高いと言われている)硬膜外麻酔(松下注:下半身の痛みのみをとる方法)による分娩の普及率は、(2005年において)日本では3%以下ですが、フランスやアメリカではなんと60%という高率だそうです。
 長文なので最初のところを読んだだけです。興味のある方はお読みください。

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