バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Ru
ssell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

 いやおうなく引きだされる結論は、現代世界において、ナショナリズム(国益主義/国家主義)は重大な悪であり、恐ろしい危険の源泉であり、我々が災難から免れるためには、国際主義を、それが属する領域で、即ち、経済、政治、戦争の領域で、発展させなければならないということである。世界の全ての国は、大小を問わず、自国の利益を世界全体の利益より優先させるという罪を犯している。このようなことは、厄介な問題を、特定の地域の横暴ではなく、人類全体の福祉によって決定するよう主張する,強力な国際機関ができるまで続くと予想される。これを遠い希望(気の長い話)だと考える人もいるだろうが、狂気じみた種(人類)に未来を与える,唯一の希望である。


The conclusion to which we are forced is that in the modern world nationalism is a grave evil and a source of appalling danger, and that if we are to escape disaster we must develop internationalism in the sphere to which it belongs; namely, that of economics, politics, and war. All the nations of the world, both great and small, have sinned in placing their own interest above that of the world at large. It is to be expected that they will continue to do so until such time as there are international Institutions strong enough to insist upon the decision of vexed questions in accordance with the general human welfare and not with the insolence of this or that particular region. Some may think this a distant hope, but it is the only one that offers a future to our distracted species.
 Source: Bertrand Russell : Pros and Cons of Nationalism, 1937
  Reprinted in: Fact and Fiction,
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<寸言>
 国益を最も重視し主張することが正義であると多くの政治家や国民が思っています。それなら、他国、特に敵対国の国益はどうかというと、ルールにのっとっていないとか、自国の産業を守らなければならないとか、いろいろな理由をつけて、無視しようとします。「国益を第一に考えるのは当たり前じゃないか」と言いっ放しで思考停止をする国民が少なくなく、これでは国同士の相互理解が進まないのも無理はありません。 

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