ラッセル英単語・熟語1500 |
科学が知っていること(知り得たこと)に感銘を受けて科学が知っていないことを忘れてしまう人もいれば、科学が知っていることよりも知り得ないでいることに多くの興味を持つためにかえって科学の業績を見くびる人もいる。(どちらの態度も正しくない。)・・・。
純粋に理論的な問題で,長年にわたる熱烈な関心事でありながら,科学が今のところ答えることができないものがたくさんある.たとえば、
・何らかの意味で、死後の世界はあるか? ・・・。
・字宙には目的があるか? ・・・
・私達が生命を重視するのは、単なる(人間の)偏狭な考え方であり、自惚れにすぎないのか?・・・
こういった問いに関心を持ち続け、提案された答えを精査・吟味することは、哲学の役割の一つである。
Some men are so impressed by what science knows that they forget what it does not know; others are so much more interested in what it does not know than in what it does that they belittle its achievements.... ... there are a number of purely theoretical questions, of perennial and passionate interest, which science is unable to answer, at any rate at present.
Do we survive death in any sense? .. Has the universe a purpose? ... Is our emphasis upon life mere parochialism and self-importance?
To keep alive the interest in such questions, and to scrutinise suggested answers, is one of the functions of philosophy.
Source: Bertrand Russell : Philosophy for Our Time (1953)
More info.: https://russell-j.com/beginner/1026_PfOT-060.HTM
<寸言>
特定の宗教に帰依し、神がこの広大な宇宙及び人間を創造したと信じる人達は、ラッセルがここにあげたような疑問を持つことなく、多くの人々が自分の頭で考える努力をしなくなります(習慣がなくなります)。
しかし、神や教祖を信じると言っても、どうしても信徒ごとに解釈が分かれる事柄も多くなっていきます。そこで、教祖の言ったことを解釈する教団が生まれ、できるだけ多くの信者を得るために布教活動が始まり、その過程で「世俗的な」様々な逸脱が生まれます。いかなる宗教においても「献金」が最重要のこととなり、「あの世も金次第」というような堕落の道を歩んでいく、というのが多くの宗教(団体)の運命のようです。
#バートランド・ラッセル #Bertrand_Russell