ラッセル英単語・熟語1500 |
集団的な興奮は,苦痛に対して,また死に対してさえ,無関心を伴っており,歴史上において珍しいものではない。・・・。こういった気分が一方の側にあれば,当然のこと,相手側(敵対側)にも同様の気分を生み出す。その結果,最後まで戦うということになり,あらゆることが勝利のために二の次にされる。・・・。熱狂は,一定の結果を達成することができる一方,それが望んだものをほとんど達成することはできない。集団的熱狂を讃美することは無謀かつ無責任である。というのは,熱狂の結果として得られるもの(成果)は,凶暴さであり,戦争であり,死であり,奴隷状態だからである。
Collective excitement, involving indifference to pain and even to death, is historically not uncommon. ... The existence of this mood on one side of course generates the same mood on the other side; the consequence is a fight to a finish, in which everything is subordinated to victory. ... Enthusiasm, while it can achieve certain results, can hardly ever achieve those that it desires. To admire collective enthusiasm is reckless and irresponsible, for its fruits are fierceness, war, death, and slavery.
Source: Bertrand Russell : Power, a new social analysis, 1938
More info.: https://russell-j.com/beginner/POWER18_280.HTM
<寸言>
こういった現象が様々なレベルで起こります。敵と味方とを峻別し、味方側が大きく傷ついても敵側が自分達よりもっと傷つけば、「自分達は勝利したのだ!」と自らを慰めることができるようです。
国民はたまったものではないですが、直接的な被害を被らない権力者は「冷静に」甘受する(忍び難きを忍ぶ)ことができます。
ラッセルが1953年に出した小冊子 Bertrand Russell's The Good Citizen's Alphabet,(『善良な市民のためのABC(イロハ)』) の「J] の項目
J: Jolly : The downfall of our enermies. 愉快なこと:それは我々の敵が失墜・破滅することだ!
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