ラッセル英単語・熟語1500 |
自発的であれそうでないにせよ、自ら選んだにせよ必要に迫られたにせよ、現代人の大部分は、神経をすりへらす生活を送っている。そして、いつも疲れすぎている状態にあるため、アルコールの助けなしでは楽しむことができなくなっている。
Voluntarily or involuntarily, of choice or of necessity, most moderns lead a nerve-racking life, and are continually too tired to be capable of enjoyment without the help of alcohol.
Source: The Conquest of Happiness, 1930, chap.5:Fatigue
More info.: http://russell-j.com/beginner/HA15-010.HTM#r366-c020-2
<寸言>
久しぶりに、ラッセルの『幸福論』からいくつか引用してみます。
昔の人だって、いや昔の人の方が、アルコールの助けで憂さ晴らしした人が多かったのではないかと想う人がいるかも知れません。
昔の人が酒に快感・快楽を求めたのは主に肉体の疲れを癒やすためであり、現代人が酒に快感・快楽を求めるのは(肉体の疲れはそれほどないことから)主に神経の疲れを癒やすためです。
そうして真剣に考えないといけないことがあっても、すぐによい考えがうかばないと、面倒くさくなって、酒に頼りがちになる人も少なくありません。適度なアルコール摂取であればよいことも多々あるでしょうが、深酒・泥酔は(二日酔い・交通事故・仕事のミス等々)悪い結果を生みがちです。そういうことから、ラッセルは次のように言っています。
「泥酔は、一時的な自殺(行為)であり、酒のもたらす幸福は、単に消極的な、不幸の一瞬の休止にすぎない。」
Drunkenness, for example, is temporary suicide; the happiness that it brings is merely negative, a momentary cessation of unhappiness.
Source: The Conquest of Happiness, 1930, chap.1:What makes people unhappy?
More info.: http://russell-j.com/beginner/HA11-040.HTM#r366-c002-1
#バートランド・ラッセル #Bertrand_Russell