ラッセル英単語・熟語1500 |
我々の時代(注:1930年代)には、我々が野蛮な過去から引継いだ非合理な要素を讃美する傾向がある。しかし、我々はこの種の要素を科学技術と結びつけることができない。本気で非合理的要素を称賛する人々は、産業主義を放棄し、国民の90%を餓死させ、弓矢の昔にもどるべきである。このような代替案に直面したくなければ、自然力の支配(面)における文明化だけでなく、自らの感情(面)においても文明化しなければならない。
There is in our time a tendency to exalt the elements of unreason which we have inherited from our barbarous past; but we cannot combine these elements with scientific technique. Those who praise them should give up industrialism, let nine-tenths of our population die of hunger, and revert to bows and arrows. If they will not face this alternative, they must become civilised in their passions, not only in their command over natural forces.
Source: Bertrand Russell : Mortals and Others, v.1, 1975
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<寸言>
どの国の政治家も「愛国心」を利用します。現在、ウクライナに侵攻しているプーチン政権もロシア国民の愛国心を煽っています。共産主義国や全体主義国家が愛国心を利用(悪用)するのはいけないが、民主主義国の場合は愛国心を煽ってもよいということにはなりません。
素朴な形の愛国心は、本来、郷土愛が拡大したものであり、また、その国の文化や歴史などに対する愛着心であり、時の政府や与党や体制を尊重しかつ守ることが愛国心だと錯覚させるようなプロバガンダは要注意です。
次のラッセルの言葉は、愛国心の危険性を注意喚起したものとして有名です。
愛国心とは,取るに足らない理由で,進んで人を殺したり,殺されたりすることである。(Patriotism is the willingness to kill and be killed for trivial reasons.)
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