バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Ru
ssell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

 領土の併合には新しい有権者(選挙民)の新規追加の承認が伴っており,彼らは望ましくないと思われることもあるであろうし,また -さらに重要なことであるが- 領土併合は,国内の自由貿易の範囲が拡大し,従って,重要な経済的な諸利益に損害を与える(ことになる)。(米国の)モンロー主義は,ラテン・アメリカに対する事実上の属国化(保護国化/保護領化)を伴うものであり(意味するものであり),従って,そのほうが実際に併合するよりも支配的利益により満足を与える(のである)。もし政治的征服が経済的に(も)有利だということになれば,すぐにそれ(政治的征服)が行われることは疑いはないであろう。


It (= Annexation of territory )involves the admission of new voters, who may be thought undesirable, and - -what is more important -- it extends the area of internal free trade, and is therefore damaging to important economic interests. The Monroe Doctrine, which involves a virtual protectorate over Latin America, is therefore more satisfactory to the dominant interests than annexation would be. If political conquest were economically advantageous, no doubt it would soon take place.
Source: Bertrand Russell : Power, a new social analysis, 1938
 More info.: https://russell-j.com/beginner/POWER11_080.HTM

<寸言>
 占領して国土を広げれば広げるほどその国が豊かになるとは限りません。むしろ、他国を自国に依存//従属させ、それによって間接的に支配したほうが、豊かになれる場合が少なくないというわけです。
 アメリカは第一時世界大戦後、外国を侵略して自国に併合してしまうようなことをしていません。しかし、世界中に米軍基地が存在しています(実に41カ国、517基地/日本は最多の121基地)。間接的に支配したほうが豊かさを享受できるというものです。(資源があまりない)貧しい国を併合して、一時的に安い労働力を確保できても、貧しかった国の人々も併合後は自国民と同様に経済的平等を確保しなければならなくなります。従って、いずれ成長にブレーキがかかる可能性が高くなります。

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