ラッセル英単語・熟語1500 |
ある種の幸運な人々は,大きな事柄であろうと小さな事柄であろうと,自分が間違っているという感覚をまったく持たない。私はかつてある著名な淑女に向かって,あなたは恥ずかしさを感じたことがあるか尋ねた時のことを覚えている。彼女はその時次のように答えた。 「いいえ,私が少しでもそのように感じるときには,私は自分にこう言います。『あなたは,世界中で最も聡明な国民の中の,最も聡明な階級に属する,最も聡明な家系の中の,最も聡明な一員ではないですか。そのあなたがどうして恥ずかしく感じることがありましょう』
Some fortunate people never experience the sense of being in the wrong, either in great matters or in small. I remember once asking an eminent lady whether she had ever felt shy. She replied: 'No. Whenever I have felt any tendency that way, I have said to myself "You are the cleverest member of one of the cleverest families of the cleverest class of the cleverest nation in the world - why should you feel shy ?" ' I heard this answer with awe and envy.
Source: Bertrand Russell : Mortals and Others, v.1, 1975
More info.: https://russell-j.com/ASHAMED.HTM
<寸言>
この著名な淑女というのはシドニーウェッブ(英国のロンドン大学の前身であるロンドン・スクール・オブ・エコノミクスを創設したことでも有名/ラッセルはその最初の講師の一人 )の妻のベアトリス・ウェッブ(あるいは、ビアトリス・ウェッブ)です。『ラッセル自伝』では実名をあげています。
なぜかと言えば、ベアトリス・ウェッブは1958年に生まれ、1943年に亡くなっていますので、このエッセイを発表した1932年にはベアトリス(74歳)は生きており、『ラッセル自伝』第1巻をだした1967年にはベアトリスは亡くなって20年以上経過していたからです
この著名な淑女を安倍昭恵や安倍総理(当時)に変えたら、どれだけあてはまるでしょうか? ビアトリス・ウェッブとはだいぶ異なりますが、けっこう似たところがありそうです。
#バートランド・ラッセル #Bertrand_Russell