ラッセル英単語・熟語1500 |
自分の目的達成の上で相手から得られた援助(に対する感謝の念)から多くの愛情が芽生えている。野心が主たる熱情である男性においては、自分の出世の支援をしてくれた女性を愛する傾向があり、それゆえ、愛情が自己の利益への本能に根ざす場合は本物の愛情ではないと想定することは、非常に浅薄な心理学であろう。
A great deal of affection is based upon the fact that its object is a help in realising the purposes of the person who feels it. Men in whom ambition is the leading passion are likely to love women who assist them in their career, and it would be very shallow psychology to suppose that the love is not real because it has its instinctive root in self-interest.
Source: Mortals and Others, v.1, 1975
More info.: https://russell-j.com/LOV-MONE.HTM
<寸言>
貧富の差が大きくて不釣り合いに見える結婚の場合は、金銭目的だと揶揄される場合も少なくありません。しかし、自分の野心や目的を支援してくれる異性に愛情を感じるのは普通のことであり「金目当てだ」と決めつけるのは「浅はかだ」とのラッセルの指摘。
適切な指摘ですが、貧しくて支援を受けていた人が、自分でも財産を築いて自立できるようになると、支援をしてくれた異性を疎んじたり、捨てたりすることもめずらしくないというのも事実です。
#バートランド・ラッセル #Bertrand_Russell