バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Ru
ssell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

 国家権力において宣伝の演ずる役割は,教育の普及とともに増加してきている。大部分の国民が進んで困難を受け止め,多くの国民が進んで死ぬのでない限り,国家は近代戦において成功できない。このような積極性を生みだすために,統治者(支配者)は被支配者に対して,この戦争は何か重要な事に関わるものであることを,即ち,実際,この戦争は殉死に値するほど重要であると信じ込ませなければならない。宣伝は,第一次大戦における連合国側の勝利の原因の大きな部分をなすものであったし,また,1918年から1920年に至る間のソヴィエト(注:ロシア革命)の勝利のほとんど唯一の原因をなすものであった。


The part played by propaganda in national power has increased with the spread of education. A nation cannot succeed in modern war unless most people are willing to suffer hardship and many people are willing to die. In order to produce this willingness, the rulers have to persuade their subjects that the war is about something important -- so important, in fact, as to be worthy of martyrdom. Propaganda was a large part of the cause of the Allied victory in the War, and almost the sole cause of the Soviet victory in the years 1918 to 1920.
Source: Bertrand Russell : Power, a new social analysis, 1938
 More info.: https://russell-j.com/beginner/POWER08_170.HTM

<寸言>
 「ヒトラーのドイツが核兵器を持つ前に欧米が核兵器を開発しないと大変なことになる」とのアイシュタインの進言を受けて、アメリカは最初に核兵器を開発し、最初に戦争で使用しました。しかし、後に、「ユダヤ人(=アインシュタイン)の科学的発見による兵器などに頼るものか」というヒトラーの考え(プライド?)もあり、ナチス・ドイツは核兵器を開発していなかったことが明らかになりました(先日、NHKスペシャルでもそのことが報道されました)。
 広島と長崎に原爆が投下されたことを聞き、アインシュタインは「人生最大の間違いを犯してしまった」と深く後悔し、核兵器撤廃運動及び世界政府樹立のための運動を始めました。ラッセルも1945年12月に英国上院(貴族院)で原爆よりはるかに破壊力の大きい兵器(水爆)が開発されるだろうと予告及び警告をし、世界連邦創設のための運動を始めました。(その成果の一つが、1955年7月9日にラッセルによって記者会見で発表されたラッセル=アインシュタイン宣言です。)
 第二次世界大戦後は、長い間、東西が核兵器をバランスよく保有していれば大きな戦争を防ぐことができるという核均衡理論に立つ政治家が多数を占めました。核兵器の恐ろしさを多くの人が理解しているので、核兵器は戦争の抑止力になるだろうと信じてきました。
 しかし、ラッセルはそんなことは信じませんでした。いずれの核保有国も負けそうになれば(国家存亡の危機になれば)核兵器を使用する可能性が高いと主張し続けました。
 米ソの軍関係者は使えない核では戦争抑止力にならないと主張し、両国とも小型戦術核を開発しました。小型といっても広島や長崎に落とされた原爆の数倍の威力があるとのことです。
 ウクライナ侵略でロシアが劣勢にたった場合、ロシアは小型戦術核を使用してしまうでしょうか? ロシアが使用すれば米国も「同等の破壊力の」核を使用する可能性があり、アメリカが報復のために核兵器を使用すれば、ロシアもまたもう少し威力のある核兵を使い・・・?

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