バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Ru
ssell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

 正直(誠実)であるという習慣を身につけることは,道徳教育の主な目的の一つでなければならない。私が言っているのは,発言の上で誠実(正直)であることだけではなく,ものを考えること(思考)においても正直(誠実)であることも含んでいる。事実,両者のうち,後者のほうが私には一段と重要であるように思われる。私は,最初,無意識的に自分をあざむいているうちに,やがて自分は道徳的であり正直(誠実)であると思いこむような人よりも,自分が何をしているかを十分意識しながら嘘をつく人のほうを,むしろ好む。


To produce the habit of truthfulness should be one of the major aims of moral education. I do not mean truthfulness in speech only, but also in thought; indeed, of the two, the latter seems to me the more important. I prefer a person who lies with full consciousness of what he is doing to a person who first sub-consciously deceives himself and then imagines that he is being virtuous and truthful.
Source: On Education, especially in early childhood, 1926
 More info.: https://russell-j.com/beginner/OE08-010.HTM

<寸言>
 発言を聞いただけでは、その政治家が本当にそう思っているのか、嘘をついているのかわからない場合が少なくありません。しかし、その行動が発言内容と違っているように見える場合、国民は、その政治家は嘘をついているのかあるいは単に論理的思考能力がないのだろうかと疑い始めることになります。
 ただし、普段、軽い嘘ならかまわないと思っている人(国民)は政治家の嘘に「寛容に」なり、論理的思考能力があまりない人(国民)は、政治家の論理的思考能力の貧弱さに気づかず、見過ごすことが多くなります。
 平気で嘘をつき論理的思考能力が貧弱な政治家は最悪ですが、それでも当選し続ける人が多いのは、国民の政治に対する関心の低さ(及び論理的に考える習慣の乏しさ)を反映したものでしょうか?

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