ラッセル英単語・熟語1500 |
良い人生(善い人生)は,恐怖心や禁止や自由に対する相互の干渉の上に築くことはできない。こういうものなしに貞節が達成されるのであるならばそれは良いことである。しかし,そういったものが全て必要だとしたら,あまりにも高すぎる代価を支払ったことになり,また,時々の過失を少しはお互いに許しあったほうがよいということがわかるだろう。相互に嫉妬心を抱くことは,たとえ肉体的な貞節が保たれていたとしても,いつまでも変わらない深い愛情の強さを究極的に信頼している場合よりも,いっそう大きな結婚の不幸の原因をもたらすことが多いのはまったく疑問の余地はない。
A good life cannot be founded upon fear, prohibition, and mutual interference with freedom. Where faithfulness is achieved without these, it is good, but where all this is necessary it may well be that too high a price has been paid, and that a little mutual toleration of occasional lapses would be better. There can be no doubt that mutual jealousy, even where there is physical faithfulness, often causes more unhappiness in a marriage than would be caused if there were more confidence in the ultimate strength of a deep and permanent affection.
Source: Marriage and Morals, 1929
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<寸言>
嫉妬心を持つことは愛情の印だと思ったり、言ったりすることがけっこうあります(あるようです)。しかし、実際は、嫉妬心には相手に対する愛情よりも、自分のプライドが傷つけられたと感じる要素もかなりあります(あるようです)。
お互い愛情を拘束しあうような愛情のあり方は、お互いの世界や交友範囲を狭め、人間的成長の機会を摘み取る場合も少なくありません。ラッセルの次の言葉はとても有名で、座右の銘にしている人が世界中にいます。
The good life is one inspired by love and guided by knowledge.(善い人生とは愛によって鼓舞され,知識によって導かれる人生である。 出典:What I Believe, 1925.)
The best life is one in which the creative impulses play the largest part and the possessive impulses the smallest.(最善の人生とは、創造的衝動が最大限に発揮され、所有衝動が最小限に現れる人生です。 出典:Political Ideals, 1917, chap.1)
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