バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Ru
ssell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

 私が提案したいのは,身体的な勇気の訓練は,できるだけ物を操作したり制御したりする技術を教えることで与えられるべきであり,他の人間と身体的に張り合って争うことで与えられるべきではない,ということである。登山や,飛行機の操縦や,強風の中での小舟の操作(など)に必要な勇気は,戦闘(身体的闘争)に必要な勇気よりも,はるかに立派なものであると,私には思われる。

I suggest that training in physical courage should be as far as possible given by teaching skill in manipulating or controlling matter, not by means of bodily contests with other human beings. The kind of courage required for mountaineering, for manipulating an aeroplane, or for managing a small ship in a gale, seems to me far more admirable than the sort required in fighting.
Source: On Education, especially in early childhood, 1926
 More info.: https://russell-j.com/beginner/OE04-110.HTM

<寸言>
 戦争の口火を切るのは(軍隊に出動命令を出すのは)政治家や軍人などの権力者であり、いったん戦争になれば、多くの国民が「思考停止」に陥ります。どの国も他国を侵略すると言って戦争を始めることはなく、多くの場合、大国が自国よりも武力が劣りそうな国を(自国を守るためと言って)攻め始めます。

 侵略を受けた国では、祖国の防衛のために仕方なく武力を行使せざるを得なくなります。そうして、多くの場合、いずれの国民も戦争犯罪を犯しがちになります。戦争に敗けたら国が「滅びてしまう」ということで、平時だったら大罪の殺人も、祖国を守るためのやむえない行為(やりたくないことをやるのであるから、一種崇高な「勇気のある」行為)となります。

 そうして、亡くなった国民(軍人)はどこの国でも「英霊」として讃えられ、戦死者のための教会や神社などに祀られます。戦争犯罪として後の世に糾弾されるのはナチスなど、ごく一部の例外だけです。従って、過去における戦争の反省はどうしても不十分なものになってしまうので、いずれ(忘れた頃に)また戦争が起こります。このような愚行をどうしたらなくせるでしょうか?

 戦争になったら「権力者や政治家の子弟がまず最初に雑兵として最前線で戦闘に参加する」というのを国際ルールにしたらどうでしょか? そうしない国や指導者は罵倒される!ということになれば、戦争を始める可能性のある権力者も、我が子かわいさに、戦争をしかけることはずっと減るものと想像されます。プーチンの子供はどこに隠れているのか?

 3月18日にモスクワで行われたクリミア半島併合8年目の関連イベントでプーチンは、ウクライナに侵攻しているロシア兵士を讃えて、新約聖書「ヨハネによる福音書」第15章13節から、「人がその友のために自分の命を捨てること、これよりも大きな愛はない」という聖句を引用したと、NHKニュースなどで報道されています。(意訳すると、「国民がプーチンのために命を捨てること、これよりも惨めかつ理不尽なことはない」となります。)

 どこの戦争指導者や同調者も自国の兵士を「英雄」(戦場で死ねば「英霊」と讃えますが、自国の兵士を殺害する他国の兵士は「英雄」(つまり、敵ながらあっぱれ)と称えることなく、「鬼畜」として糾弾します。日本の多くの政治家も同様です。

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