バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Ru
ssell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500


 子供が思春期に達すると両親と子供の間に衝突が非常に起こりやすくなる。なぜなら,子供は今や自分のことは自分で完全にうまくやれると考えているのに,親は,親としての気遣い(心配)でいっぱいだからであるが,その気遣い(心配)は権力愛の偽装であることが多い。親は通例思春期に生じる様々な道徳上の問題はとりわけ自分の専門だと考えている。けれども,彼らの述べる意見はひどく独断的なので,若者はめったに胸のうちを親には明かさず、通例、秘密裏に自分の好きなとおりにする。それゆえ,この段階(時期)においては,大部分の親はあまり役に立たないと言える。

When a child reaches adolescence, there is very apt to be a conflict between parents and child, since the latter considers himself to be by now quite capable of managing his own affairs, while the former are filled with parental solicitude, which is often a disguise for love of power. Parents consider, usually, that the various moral problems which arise in adolescence are peculiarly their province. The opinions they express, however, are so dogmatic that the young seldom confide in them, and usually go their own way in secret. It cannot be said, therefore, that at this stage most parents are much use.
Source: Marriage and Morals, 1929
 More info.: https://russell-j.com/beginner/MM13-100.HTM

<寸言>
 日本の最近の若者は「反抗期を一度も経験しない人」が増えているようです。生まれた時から低成長の時代が続いているため、(バブルを経験した大人と異なり)現状を大事にしたい(これ以上悪くなりたくない)ので、現在の生活を大事にしたい人(現状に満足する人)が多いと説明・主張する人もいます。本当にそうでしょうか?
 もしその見方があたっているとしても、現代の親は昔の親よりも「若者のために役に立っている」ということにはなりません。いや、反面教師としてなら、いつの時代も親は役に立っています。ただし、そうは言っても、親と同じ間違いを冒す若者も少なくないようです・・・、とかなんとか。

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