バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Ru
ssell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500


 行動の習慣は,快楽と結びついているものを求め苦痛と結びついているものを避けるという行為を通して,形成される。赤ん坊が泣くのは,一部は苦痛と結びついた反射作用であり,一部は快楽を求めて行なわれる行為である。最初のうちはむろん前者のみである。しかし,赤ん坊が本当に苦痛を感じている場合は可能であれば苦痛を取り除いてやらなければならないので,泣くことが快い結果と結びつくようになることは不可避である。それゆえ,間もなく,赤ん坊は,身体の苦痛を感じるからではなく快楽が欲しいために泣くようになる。これこそが赤ん坊の知性の最初の勝利の一つである。

Habits of behaviour arise through seeking what is associated with pleasure and avoiding what is associated with pain. A child's crying is partly a reflex connected with pain, partly an act performed in the pursuit of pleasure. At first, of course, it is only the former. But since any real pain that the child may be suffering must, if possible, be removed, it is inevitable that crying should come to be associated with pleasant consequences. The child therefore soon begins to cry because it desires a pleasure, not because it feels a physical pain ; this is one of its first triumphs of intelligence.
Source: On Education, especially in early childhood, 1926
 More info.: https://russell-j.com/beginner/OE03-050.HTM

<寸言>
 一部の人々や特定の状況においては苦痛をあえて求める(苦痛が快楽になる)こともあるでしょうが、通常は、苦痛をさけ、快適な状態を求めます。
 快楽を求めることは自然なことなので、それを利用して幼児によい習慣をつけさせるようにすることは賢明です。そうして、よい習慣をいっぱい身につければ、後に、若者が、そういった習慣を捨てることが難しく悪い習慣をなくす努力は苦痛だということは少なくなります。
 学習習慣も同様です。自ら探求し、少しづつ学び続ける習慣が身につけば、勉強は嫌だという気持ちにはあまりならないはずです。ただし、受験勉強は、自らの興味で学習するのではない場合が少なくないので、苦痛に感じるのも無理もない場合が多いいでしょうが・・・。

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