ラッセル英単語・熟語1500 |
しかし,知的生活は私達の活動の一部にすぎなく,また,好奇心は絶えず他の感情と衝突しているので,ある種の知的な美徳,たとえば開かれた知性(偏見のない心)といったものが必要である。私達は,慣れと欲求のために,新しい真理を受けつけなくなる。長年固く信じてきたこと,あるいは自尊心やその他根本的な感情を満足させるものを疑うことは,難しい。それゆえ,'開かれた知性'(偏見のない心)こそは,教育が生み出すことを目指すべき性質の一つでなければならない。
But since our intellectual life is only a part of our activity, and since curiosity is perpetually coming into conflict with other passions, there is need of certain intellectual virtues, such as open-mindedness. We become impervious to new truth both from habit and from desire; we find it hard to disbelieve what we have emphatically believed for a number of years, and also what ministers to self-esteem or any other fundamental passion. Open-mindedness should therefore be one of the qualities that education aims at producing.
Source: On Education, especially in early childhood, 1926
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<寸言>
哲学者とその他の人々との大きな違いのひとつに、「真摯な」哲学者の場合は、自分が信じていることを頻繁に問い直すという態度があります。ただし、哲学者を自称している人でも、根拠なく、強い信念をもっている「似非」哲学者も少なくありません。
もちろん、ここでラッセルが言っているのは、もっと広義な「開かれた知性」の重要性です。哲学者の探究心は哲学者を不幸にすることはありますが、「開かれた知性」は(哲学者以外の)人々を幸福にする場合が多いはずです。
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