バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Ru
ssell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

 科学は知覚と推論に依存している(依拠している)。(即ち)その信頼性は知覚がどの観察者によっても検証しうるものであるという事実によっている。神秘主義者自身は自分が知っていることに確信を持っているであろうし,科学的な検証を必要としない。しかし,その証言を受け入れることを求められる人々は,その証言を「北極に行ってきた」という人に求めるのと同種類の科学的検証にゆだねるであろう。科学は,科学である限り,結果に対して,肯定的にしろ否定的にしろ,予断を持つべきではない。

Science depends upon perception and inference ; its credibility is due to the fact that the perceptions are such as any observer can test. The mystic himself may be certain that he knows, and has no need of scientific tests ; but those who are asked to accept his testimony will subject it to the same kind of scientific tests as those applied to men who say they have been to the North Pole. Science, as such, should have no expectation, positive or negative, as to the result.
Source: Religion and Science, 1935, by Bertrand Russell
 More info.: https://russell-j.com/beginner/RS1935_06-160.HTM

<寸言>
 大多数の科学者にとって、これは常識的な物言いです。

 しかし、たとえば、新型コロナウィルス対策について、あまり科学的とは言えないことをTV番組などで断言的に主張する専門家(京大の獣医学専門の宮沢准教授、厚生労働省の一部の医系技官その他)がいたりします。

 新型コロナウィルスの専門家と言っても、ウィルス学の専門家(東大医科研の河岡義裕教授など)、ウィルス感染症の専門家(国際医療福祉大学の松本t教授など)、感染症対策の専門家(尾身茂氏のような人)、感染症対策の行政側の専門家(厚生省の医系技官など)、感染症の治療にあたる専門家(専門医)、ウィルス学の研究はしていないが感染者数の増減予想をする統計学やAIの専門家(西浦教授や平田教授)など、いろいろな専門家がいます。

 多くの専門家が自分の専門に関することについては慎重に物を言います。しかし、専門外のことでも、自分が強い関心を持っていることについては、科学的とは思われないような強い発言をする人はめずらしくありません。専門外のことについては、後から間違っていることがわかっても、「専門外のことなので・・・」と安心して前言訂正ができるので、「言い訳」ができると考えているのでしょうか? 自分の専門外のことなのにあたかも専門家であるかのように一般人を誤解させて"強く主張する"「科学者」は要注意です。

 ましてや一般人はどんなことを言っても「素人だから」ということで、責任をとる必要はありません。しかし、後から間違っていることがわかっても反省をしない人(=たくさんいます!!)は、しだいに相手にされなくなります。

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