バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Ru
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ラッセル英単語・熟語1500

 量子力学において新しいことは,統計的諸法則の出現ではなく -個々の出来事を支配する諸法則から導きだされる代わりに- 統計的諸法則は究極的なものであるという示唆である。これは非常に難しい概念であり,量子力学の支持者達が理解している以上に難しい概念である,と私は考える。一つの原子がする種々の事柄について(事柄のなかで),原子は各々一定の割合(比率)の場合においてそれぞれの事柄をするということが観察されてきた。しかし,もしその単一の原子が無法則である(法則に従わない)とするならば,大きな数(分子、物体など)に関してはどうしてそのような規則性が存在しなければならないのだろうか?

What is new in quantum mechanics is not the occurrence of statistical laws, but the suggestion that they are ultimate, instead of being derived from laws governing individual occurrences. This is a very difficult conception - more difficult, I think, than its supporters realize. It has been observed that, of the different things an atom may do, it does each in a certain proportion of cases. But if the single atom is lawless, why should there be this regularity as regards large numbers?
Source: Religion and Science, 1935, by Bertrand Russell
 More info.: https://russell-j.com/beginner/RS1935_06-110.HTM

<寸言>
 結局、相対性理論と量子力学を包含する統一理論が確立されなければならず、それは、物理学の問題だけではなく、哲学の問題でもあるということ。
 アインシュタインは量子力学に疑念を抱き、「神はサイコロをふらない」と言ったそうですが、ラッセルも今回の引用文の後に次のように述べています。

「確率論(蓋然性の理論)は(現在)論理的にも数学的にも極めて不満足な状態にある。そうして,私は個々の場合(事例)においては単なる気まぐれであるのに(それらをただまとめた)大きな数の場合には規則性が生れるというような何らかの錬金術(alchemy)が存在するなどとは信じない。もしペニー硬貨が本当に気まぐれで表になるか表になるかを(自分で)選ぶとするならば,一方を他方と同じ位の回数(ペニー硬貨は)選ぶと主張する何らかの理由が存在するだろうか? 気まぐれが好都合に(just as well)常に同じ選択に導かないかも知れないのではないか? これは示唆にすぎない。なぜなら,問題は漠然とし過ぎており,独断的に述べることはできないからである。しかしこの示唆が何らかの確実性を持っているとしたら,我々は世界における究極的な規則性は大きな数の事例を処理しなければならないという見解を受け容れることができず、また、我々は,原子の行動の統計的法則は,個々の原子の行動に関する未発見の法則から派生すると想定しなければならない。」
 
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