バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

 適度の安楽が確保されると,個人も社会も富よりはむしろ権力を追求するようになるだろう。権力に対する手段として富を求めるかも知れないし,あるいはまた、権力を増すために富の増大を差し控えるかも知れない。しかし、前者の場合(権力に対する手段として富を求めること)においては,後者の場合と同じく,その根本的な動機は経済的なものではない。
 正統派経済学とマルスク経済学のこうした誤りは単に理論的な誤りだということだけでなく,実際上からいっても極めて重要なもの(誤り)であり,この誤りが最近の主な出来事のいくつかが誤解される原因となっている。古代であれ現代であれ,歴史を正しく解釈できるのは,権力愛が社会的な事柄における重要な活動の原因であるということを理解することによってのみである。

When a moderate degree of comfort is assured, both individuals and communities will pursue power rather than wealth : they may seek wealth as a means to power, or they may forgo an increase of wealth in order to secure an increase of power, but in the former case as in the latter their fundamental motive is not economic.
This error in orthodox and Marxist economics is not merely theoretical, but is of the greatest practical importance, and has caused some of the principal events of recent times to be misunderstood. It is only by realizing that love of power is the cause of the activities that are important in social affairs that history, whether ancient or modern, can be rightly interpreted.
 Source: Bertrand Russell : Power, a new social analysis, 1938
 More info.: https://russell-j.com/beginner/POWER01_050.HTM

<寸言>
 逮捕された日大の田中(元)理事長が、「この年(年齢)で、お金に対する執着はない」と周囲に語った?そうですが、それは"ある意味で正しいと思われます。しかし、金銭に対する執着は若いときほどなくても、年をとっても権力欲はとどまるところを知らず、その権力を保つためにもお金が必要だというのがより真実に近いのではないでしょうか?
 金権政治家や蓄財に励む人たちを単に「金の亡者」という視点だけで考えると、物事の真相・真実をとらえそこねることがありそうです。

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