バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

 暦は,あらゆる時代で,宗教の中で重要な役割を演じてきた。英国では18世紀にいたるまで、ロシアでは1917年のロシア革命にいたるまで、グレゴリオ暦はカトリック教のものだという感情のため、不正確な暦が永続的に使用された。同様に,世界の至るところで、極めて不正確な太陰暦が、献身的に月を崇拝している司祭によって擁護されていた。また、太陽暦の勝利は遅々とし、しかも部分的なものであった。エジプトにおいては、かつては,この闘いは内乱の原因となった。これは、「月」という語のジェンダーをめぐる文法論争と関わりがあったとも考えられる。因みに、ドイツ語では「月」のジェンダーは今日まで男性のままである。太陽崇拝と月崇拝は、ともに、キリスト教にその痕跡をとどめている。というのは、キリストの誕生は冬至に起こっているのに対して、キリストの復活は過ぎ越しの祝い(復活祭)の満月の日に起こっているからである。

The calendar has at all times played an important part in religion. In England down to the eighteenth century and in Russia down to the Revolution of 1917, an inaccurate calendar was perpetuated owing to the feeling that the Gregorian calendar was papistical. Similarly, the very inaccurate lunar calendars were everywhere advocated by priests devoted to the worship of the moon, and the victory of the solar calendar was slow and partial. In Egypt this conflict was at one time a source of civil war. One may suppose that it was connected with a grammatical dispute as to the gender of the word "moon", which has remained masculine in German down to the present day. Both sun worship and moon worship have left their traces in Christianity, since Christ's birth occurred at the winter solstice, while his resurrection occurred at the Paschal full-moon.
 Source: Marriage and Morals, 1929
 More info.: https://russell-j.com/beginner/MM04-020.HTM

<寸言>
 昔の人は自然を信仰の対象にしていました。特に、世界中の民族が太陽を崇拝、信仰の対象にしていました。月も、太陽崇拝ほどでもないにしても、宇宙の姿がよく判っていなかった時代においては、天空においては最大の天体に見えることや、潮の満ち引きが月の影響によって起こり人間の生理にも関係していることから、各地で崇拝の対象になっていました。
 今では、アラーの神を信じる一部の人達以外? 太陽崇拝をしている人はいませんが、日本文化のなかにも、太陽崇拝・信仰の名残りが残っており、興味深いことです。

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