バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

ラッセル英単語・熟語1500

 私は,日々増大しつつある戦争の脅威について本を書く決心をした。この本に『平和への道』(Which way to peace?)という題をつけた。そしてその本の中で,かつて私が第一次世界大戦中にとったと同じ平和主義者の立場を保持した。確かに,例外として,もしも世界政府が確立されるとすれば反乱に対してはそれを力で支えることが望ましいという見解をもった,しかし,今もうすぐにでも起ころうとしている戦争に関しては良心的兵役拒否を唱えた。けれども,この態度(注:「良心的兵役忌避」)は,知らず知らずのうちに,誠意のないものになっていった。

I decided to write a book on the daily increasing menace of war. I called this book Which Way to Peace? and maintained in it the pacifist position that I had taken up during the First War. I did, it is true, make an exception: I held that, if ever a world government were established, it would be desirable to support it by force against rebels. But as regards the war to be feared in the immediate future, I urged conscientious objection.This attitude, however, had become unconsciously insincere.
Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.2,chap.3: China
More info.: https://russell-j.com/beginner/AB25-020.HTM

<寸言>
 ラッセルは、1936年の時点では、平和主義(平和優先主義)の立場をとっており、1936年に Which Way to Peace? を出版しています。(日本でも一部雑誌に邦訳が掲載されましたが、翻訳書はだされませんでした。)
 可能な限り、平和主義の立場を貫きたいと考えていましたが、しだいにヒトラーのドイツは別問題と思うようになり、ついには、「ナチスは,実に不快であり,残酷で頑迷で愚劣」であり、「第二次大戦においては,勝利を達成することがいかに困難なものであっても,そしてその結果がいかに苦痛なものであろうとも,勝利のために必要なことは全て支持しなければならないということを,意識的に,そしてはっきりと決意」することになります。
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