バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )


 その年(1963年)の初めに,私はニューヨーク・タイムズ紙宛に手紙を書き,「ヴェトナムにおけるアメリカの行為は,ドイツ人によって東ヨーロッパで行なわれ,また日本人によって東南アジアで行なわれた戦争行為を思い出させる野蛮行為である」と述べた。当時の私のこの発言はニューヨーク・タイムズ紙にとっては激しすぎる意見だと思われ,同紙は初め私を社説で攻撃し,次にその社説に対する私の返事の一部を削除して掲載し,遂には投書欄から私を全面的に閉め出した。


Early in that year (1963), I wrote to the New York Times describing American conduct in Vietnam as barbarism 'reminiscent of warfare as practised by the Germans in Eastern Europe and the Japanese in South-East Asia.' At the time this seemed too strong for the New York Times, which first attacked me editorially, then cut my reply and finally denied me any access to its letters colums.
 Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.3 chap. 4
 More info.:https://russell-j.com/beginner/AB34-270.HTM

<寸言>
 ラッセル批判の社説(1963年4月8日付)を執筆したニューヨーク・タイムズの論説主幹の John B. Oakes は、(ラッセルの抗議に対し)ラッセルの手紙の文章をカットしたのは「(ただ単に)長すぎたからだ」と主張しています。これに対しラッセルは、ラッセル『ベトナムの戦争犯罪』(河出書房、1967)のp.57で次のように述べています。
「あなたは、どの節、文、句をカットしたとしても私(=ラッセル)は異議を申し立てたであろうことは疑いない、と言われています。しかしそれは間違いです。即ち、使用された化学物質を特にとりあげた私の文章を、また、私が証拠を示していないと言って貴紙がひどく私を攻撃したその証拠となる文章を省略されたからです。さらに・・・」

 言論の自由が広く認められている米国においても、多数の国民がベトナム戦争の「正当性」を信じている場合は、米軍のベトナムでの戦闘を批判する者は、「容共主義者」として一刀両断しても読者の広い支持を得ることができたことと思われます。

 
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