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ラッセル平和財団のスポンサーにハイレ・セラシェ皇帝の名が入っていますが、私はそれがちょっと気にかかります。・・・。
(ラッセルからの返事:1964年9月14日付)
拝復 ビアスレイ様
・・・。あなたもご存知の通り、我々が直面している最も緊急な問題は核戦争を防止することである、と私は考えています。・・・。
ハイレ・セラシェ(皇帝)は封建的な統治者であり、貴族です。しかし、彼はアルジェリア=モロッコ国境紛争を沈めるのに極めて貴重な貢献をしました。また、彼は、アディス・アベバに本拠を持っているアフリカ連合を代表して尽力して、連合を通してアフリカにおける中立主義を助けることに大変貴重な働きをしました。・・・。
・・・平和のために役立ちたいと願う全ての人々の支持を我々は歓迎していることを、ご理解頂きたいと存じます。・・・
敬 具
バートランド・ラッセル
' ... Haile Selassie's name added to that of your sponsors [of the Bertrand Russell Peace Foundation] gives me thought. ...'
Sept. 14, 1964
Dear Mr Beasley,
'... As you know, I consider the most urgent issue facing us to be the avoidance of nuclear war and ...
Haire Selassie is a feudal ruler and an autocrat, but he has performed a very valuable service in settling the Algerian-Moroccan Border dispute and in assisting neutralism in Africa through his efforts on behalf of African Unity which has its headuarters in Addis Ababa.
... I hope you will see, therefore, that the support of all who wish to help to work for peace is welcome by us, ...
Yours sincerely
Bertrand Russell
Source: Dear Bertrand Russell, 1969.
More info.: https://russell-j.com/beginner/DBR2-23.HTM
<寸言>
限られた情報にしか接しなければ、どうしても一面的な見方になってしまいます。
対象の人物や国家についてよい印象を持っていなければ、否定的な情報ばかり受け入れてますます悪い印象を持つようになっていきます。
反対に、対象の人物や国家についてよい印象を持っていれば、アバタもエクボで、肯定的な情報ばかり受け入れて、ますます良い印象をもつようになります。
両方とも適切ではないですが、誤解が多いとしても、後者のほうがまだましだとは言えそうです。
#バートランド・ラッセル #Bertrand_Russell