バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )


 私は最初に理性に訴える方法を試みた。即ち,核兵器の危険をペストに比較した。誰しもが「まったくそのとおりだ!」と言った。しかし誰も何もしなかった。特定の集団に注意喚起をしてみた。その成果は限定的ではあれあったが,社会一般や各国政府に対してはほとんど効果はなかった。次に私は,大規模なデモ行進による大衆アピールを試みた。皆がこう言った。「このようなデモ行進は迷惑千万だ!」。その後,政府に対する一般市民の不服従運動という方法を試みた。しかしその方法もまた成功しなかった。・・・。私は今,各国政府と一般の人々の双方同時にアピールするという新しい試みを行っている。私は生きている限りその探求を続けるだろう。・・・しかし,人類が自らを保存する価値があると考えるかどうかは,依然として疑問のままである。

I tried first the method of reason: I compared the danger of nuclear weapons with the danger of the Black Death. Everybody said, 'How true,' and did nothing. I tried alerting a particular group, but though this had a limited success, it had little effect on the general public or Governments. I next tried the popular appeal of marches of large numbers. Everybody said, 'These marchers are a nuisance'. Then I tried methods of civil disobedience, but they, too, failed to succeed.... I am now engaged in a new attempt which consists of a mixed appeal to Governments and public.... But whether mankind will think itself worth preserving remains a doubtful question.
 Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.3 chap. 3
 More info.: https://russell-j.com/beginner/AB34-010.HTM

<寸言>
 当時は、「共産主義に支配されるくらいなら核戦争で人類が滅んだほうがましだ」といった発言を米国の大統領夫人(エレノア・ルーズベルト)が公共放送のなかでするような時代でした。
 さすがに現代では、そのような発言をするような指導者はほとんどいなくなり、大多数の指導者は、少なくとも表向きは、「平和共存」を唱えています。
 影響力のない個人がどのように言おうと無視してよいですが、権力者が自分の信条のために他の人々(人類)を犠牲にする権利はありません。そういった区別ができない政治家は今でもけっこう存在していますが・・・。

 
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