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【「片想いの苦しさから自殺の衝動にもかられるある男子学生からの手紙(キャロラインを愛していますが片想い)」への返事】
あなたの窮状を良く理解できます。同じく片想いに苦しみ、後に偉大な詩人になったダンの詩集を読むことをお薦めします。・・・。片想いは、重い病のようなもので、回復に向かわない内は大変苦しいが、その苦しみは一生続くものではありません。治療(例:興味のある別のことを一生懸命やること)により、また、時間の経過とともに、病は癒えていくものです。ですから、ケンブリッジ大学に進学して(あなたが興味を持っている)歴史を勉強されるのがよいと思います。それによってきっと新しい道が開けてくると思います。
Briefly, I am in love with one, Caroline by name, of beauty and intelligence, and, as in the situation which must be all too frequent elsewhere, she does not love me. ...
Dear Sir, (July 19, 1963)
May I say that I entirely understand your difficulty. ... Unrequited love is like a serious illness -- very unpleasant while it lasts but usually not life-long. I should not treat this question as one of morality but as one of rational forecast of your future.
I hope that you will go up to Trinity to read History. It could open a new world to you, and I believe from what you write that you could make the most of this opportunity.
Source: Dear Bertrand Russell, 1969.
More info.: https://russell-j.com/beginner/KATAOMO2.HTM
<寸言>
自分にない魅力を相手が多く持っているので恋に陥るのか、自分と共通点が多いと思い恋に陥るのか・・・?
どちらのケースもあるというのが恋の不思議。まず恋に陥り、理由付けは後から。
いずれにせよ、簡単に手に入る(成就する)恋は冷めやすく、困難な恋は燃え上がる。もちろん、まったく可能性ゼロの恋も長続きしないであろうが・・・。
#バートランド・ラッセル #Bertrand_Russell