バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )


ラッセル英単語・熟語1500
 デカルトの「精神(心)」を形作ったものはこの「思考の」系列であったが、彼の精神(心)はもはや単独の実体ではないことは,ニューヨークの全住民はニューヨークの数人の住人を越えた単独の実体でないのと同様である。(そこで)「デカルトは考える」という代わりに,我々は,「デカルトはその各要素が思考(現象)であるところの思考の系列である」というべきである、そうして「それゆえにデカルトは存在する」という代りに,「デカルトはこの系列の名前であるので、デカルトは一つの名前である」と言わなければならない。(注:つまり、「デカルト」という「不変の実体」は存在しない。)

It was this series of "thoughts" which constituted Descartes' "mind," but his mind was no more a separate entity than the population of New York is a separate entity over and above the several inhabitants. Instead of saying "Descartes thinks," we ought to say "Descartes is a series of which the members are thoughts." And instead of "therefore Descartes exists," we ought to say "Since 'Descartes' is the name of this series, it follows that 'Descartes' is a name.
 Source: Bertrand Russell : Mind and Matter (1950年11月?)
 More info.: https://russell-j.com/beginner/19501110_Mind-Matter040.HTM

<寸言>
「ラッセル」という「不変の実体」(A)など存在しない(a1 ... a4 ... が「生じている」だけ)

・受精した直後の「ラッセル」 a1
・4歳の「ラッセル] a2
・アリスと結婚した時の「ラッセル」 a3
・1970年2月2日、死亡直前あるいは直後の「ラッセル」 a4

 しかし、自分には変わらない実体があると思っている(錯覚している)人は少なくない。

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