バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )


 我々は,日曜日には自分を愛するように隣人を愛するべきであると言われる。(しかし)一週間のうちの他の6日間は,隣人を憎むことを熱心に勧められる。あなたは我々が憎むのを強く勧められるのは隣人ではないのでこれはナンセンスだというかもしれない。・・・。
 悪を憎むことは,それ自身,一種の悪への屈従(悪にとらわれること)である。悪から抜けだす道は理解であって,憎悪を通してではない。私は無抵抗を擁護しているのではない。だが,私は,抵抗が悪の広がりを阻止するのに効果的であるためには,最大限の(対象についての)理解と,我々が保持したい良いものが生き残ることと両立する最小限の力とを結び付けられるべきであると言っているのである。

We are told on Sundays that we should love our neighbors as ourselves. On the other six days of the week, we are exhorted to hate. You may say that this is nonsense, since it is not our neighbour whom we are exhorted to hate. ...
Hatred of evil is itself a kind of bondage to evil. The way out is through understanding, not through hate. I am not advocating non-resistance. But I am saying that resistance, if it is to be effective in preventing the spread of evil, should be combined with the greatest degree of understanding and the smallest degree of force that is compatible with the survival of the good things that we wish to preserve.
 Source: Bertrand Russell : Knowledge and Wisdom (1954)
 More info.: https://russell-j.com/beginner/1073_KW-050.HTM

<寸言>
 「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」という状態は、感情に支配されている(冷静な判断ができない)状態であり、行き過ぎてしまい、後悔する事態を生みだしかねません。憎悪の原因は誤解に基づくものかも知れず、悪循環に陥ることになるかも知れません。家庭内のことであれば、いずれ誤解が解け、仲直りすれば大事にいたることはありません。
 しかし、これが隣国との関係であれば、最悪の場合は戦争になることもありえます。自分が相手(の国の人々)に直接危害を加えなくとも、自分がその一部である世論の力によって両国(政府及び国民)の関係がどんどん悪化していき、暴発してしまう危険があります。
 国民の怒りや暴発を防ぐ政治家は立派な政治家ですが、対立をあおって自分に対する支持を得ようとする政治家はその対極であり、いつの時代にも存在しています。度重なる失政によって政権に対する信頼を失い、政権を失うかも知れない状態になると、そういった憎悪をかきたてて自分(達)に対する批判をそらそうとする政治家はけっこう存在しています。

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