バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )


 数多くの非常に有名かつ尊敬されている科学者が,資本主義のイデオロギーをもつ者も共産主義のイデオロギーをもつ者も両者とも進んでさらなる共同行動への呼びかけに署名してくれそうな声明(文)を作成することが可能であるかもしれないという考えが私の頭に浮かんだ。けれども私は,そのための何らかの方法を講ずる前に,アインシュタイン博士はそのような計画をどう思うか知りたくて,手紙を書いた。彼は,熱意を込めた返事をくれたが,返事の手紙には,自分は健康があまりすぐれず,当面ほとんど関与することができず,共鳴してくれると自分が思う多様な科学者の名前をあげる以上のことは何も役に立つことはできそうもない,と書かれていた。それにもかかわらず,彼は,私の考えを実行にうつすこと,また私自身で声明(文)を作成してほしい,と懇願してきた。(そこで)私は,私のクリスマス放送「人類の危機(Man's Peril)」をもとにしてその声明(文)(ラッセル=アインシュタイン宣言)を作成した。

It had occurred to me that it might be possible to formulate a statement that a number of very well-known and respected scientists of both capitalist and communist ideologies would be willing to sign calling for further joint action. Before taking any measures, however, I had written to Einstein to learn what he thought of such a plan. He had replied with enthusiasm, but had said that, because he was not well and could hardly keep up with present commitments, he himself could do nothing to help beyond sending me the names of various scientists who, he thought, would be sympathetic. He had begged me, nevertheless, to carry out my idea and to formulate the statement myself. This I had done, basing the statement upon my Christmas broadcast, 'Man's Peril'.
 Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.3
 More info.: https://russell-j.com/beginner/AB32-190.HTM

<寸言>
 アインシュタイン(1879-1955)はこのころ体調をくずしていたため、声明文(案)のとりまとめについては、ラッセルに全面的に依頼せざるを得ませんでした。
 ラッセルはアインシュタインから激励の言葉をかけてもらい、意を強くし、前年1954年12月23日にBBCラジオでラッセルが行ったスピーチ「人類の危機(Man's Peril)」をもとに、声明文(案/後にラッセル=アインシュタイン宣言/声明と呼ばれるようになるもの)をまとめ、アインシュタイン及び(アインシュタインが推薦してくれた)科学者達(ほとんどがノーベル賞受賞者)にそれを送ります。
 他方、アインシュタインは,1955年4月13日に腹部動脈瘤が広がって倒れ、4月15日にプリンストン病院(the Princeton Hospital プリンストン大学付属病院ではないようです?)に入院し、4月18日に死亡してしまいます(続く・・・)。
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