バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )


 共産主義と闘う道は戦争ではない。共産主義者が西欧を攻撃するのを阻止するであろう軍備に加えて必要なものは,非共産主義世界のあまり豊かでない地域における不満の理由を減らすことである。アジアの大部分の国において,西欧にそうする力がある限り、西欧が減らさなければならない赤貧がある。また何世紀にも渡るヨーロッパ諸国の傲慢な支配によって引き起こされた激しい苦痛がある。これは,アジアに生き残っている白人支配の歴史的遺物を放棄するという劇的な声明を伴った忍耐強い臨機応変の才との組み合わせによって処理されるべきである。共産主義は貧困や憎悪や闘争によって育まれた信条である。その拡大は貧困と憎悪の地域を減少させることによってのみ阻止できるのである。

The way to combat Communism is not war. What is needed in addition to such armaments as will deter Communists from attacking the West, is a diminution of the grounds for discontent in the less prosperous parts of the non-Communist world. In most of the countries of Asia, there is abject poverty which the West ought to alleviate as far as it lies in its power to do so. There is also a great bitterness which was caused by the centuries of European insolent domination in Asia. This ought to be dealt with by a combination of patient tact with dramatic announcements renouncing such relics of white domination as survive in Asia. Communism is a doctrine bred of poverty, hatred and strife. Its spread can only be arrested by diminishing the area of poverty and hatred.
 Source: Bertrand Russell : Why I Oppose Communism? 1954
 More info.: https://russell-j.com/beginner/1059_WIOC-040.HTM

<寸言>
 新自由主義的思想を擁護して経済的格差の拡大に目を瞑れば、アメリカの一部にみられるように、先進資本主義国においても革命やドラステックな変革を期待する声が高まります。また、一国のなかでたとえ種々の格差が緩和されても、国家間の格差が拡大すれば、国家間の摩擦は増していきます。中国は発展途上国のそのような不満をひろいあげ、自国の味方を増やそうと努めています。
 新型コロナ対策でも、大国が必要以上の量のワクチンを確保し、途上国や貧困国にワクチンに行き渡らなければ、戦略的に無料でワクチンをわけてくれる中国の言うことを聞こうという国が増えるのは当然とも言えます。

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