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その後間もなく,私達は,スコットランド(旅行)からリッチモンドに戻る途中,北ウェールズに立ち寄った。私達の友人のルパート・クロウシェイ=ウィリアムズとその夫人のエリザベスは,プラス・ペンリンと名付けられた一軒の家を北ウェールズに見付けており,その家は私たち夫婦と息子の子供達(即ち,孫)が楽しい休暇を過ごすのに良いだろうと考えていた。その家は小さく,慎ましいものであったが,心地よい庭と小さな果樹園と多数の立派なブナの木があった。とりわけ,その家からは最高に美しい景観を眺めることができ,南に海,西はポートマドックとカナーヴォン丘陵,北はグラスリンからスノードン山への渓谷が見渡せた。私はその美しい眺めに魅了された。特にグラスリン渓谷の向こう側(反対側)にかつてシェリーが住んでいた家を眺めることができるのが気に入った。
A short time later, on our way home to Richmond from Scotland, we stopped in North Wales where our friends Rupert and Elizabeth Crawshay-Williams had found a house, Plas Penrhyn, that they thought would make a pleasant holiday house for us and the children. It was small and unpretentious, but had a delightful garden and little orchard and a number of fine beech trees. Above all, it had a most lovely view, south to the sea, west to Portmadoc and the Caernarvon hills, and north up the valley of the Glaslyn to Snowdon. I was captivated by it, and particularly pleased that across the valley could be seen the house where Shelley had lived.
Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.3
More info.: https://russell-j.com/beginner/AB32-140.HTM
<寸言>
ラッセルはエディスとともに、晩年、プラス・ペンリンと呼ばれるこの家に、1970年2月2日にインフルエンザをこじらせて亡くなるまで、住むことになります。(妻のエティスは1978年に亡くなるまで引き続きこの家で暮らしました。)
添付した2枚の写真は、牧野力氏(当時、早稲田大学政経学部教授)が1972年夏にエディス夫人(未亡人)を訪問した時に撮影した写真です。(ラッセル関係の写真のネガは、牧野先生が亡くなってしばらくして、先生の遺言により、ラッセル関係の蔵書とともに、松下が牧野夫人から譲りうけました。)
松下も、エディス夫人亡き後の1980年夏に訪れ写真を撮りましたがあいにく曇天で写りがあまりよくありません。(ラッセルのホームページに、「牧野アルバム」と「松下ラッセル紀行」として、大部分掲載してあります。
・牧野アルバム: https://russell-j.com/cool/R501.HTM
・松下ラッセル紀行: https://russell-j.com/cool/R502.HTM )
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