バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

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 ・・・。あるいは,多分,何であれ多数の人々の求めるものは少数の人々が求めるものよりも好ましいという見解の方が幾らかより理屈にかなった見方であるが,そういった見方に対する合理的な根拠さえ,私はまったく知らない。・・・。この問題について私が言えることは,倫理的な意見は,ただ倫理学上の公理(注:それ以上証明できない命題)によってのみ擁護することができるということだけである。しかし,もしその公理が容認できないものとすれば,もはや合理的な結論に到達する方法はまったくない。・・・。幸福であるということは幸福でないということよりもいいことだと想定している。これは別に(論理的に)立証することのできない倫理上の原則(原理)である。

I do not know any rational ground for this view, or perhaps, for the somewhat more rational view that whatever the majority desires is preferable to what the minority desires .... All that I can find to say on this subject is that an ethical opinion can only be defended by an ethical axiom, but, if the axiom is not accepted, there is no way of reaching a rational conclusion. ... It assumes that happiness is better than unhappiness. This is an ethical principle incapable of proof.
 Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.3
 More info.: https://russell-j.com/beginner/AB31-250.HTM

<寸言>
 添付した画像をみてください。
 あなたは線路のポイント(分岐器)切り替え係(担当者)としてみよう。ブレーキの効かなくなった電車がすぐ近くに近づいている。あなたが担当している線路のポイントの先は2つに別れていて、Aの線路の方向には某犯罪者によってしばられたあなたの愛する人が線路に横たわっており、また、Bの線路の方向にはあなたの知らない(赤の他人の)人たちが5人縛られて横たわっているとしよう。
 その場合、ポイントをBに切り替え、線路Aに横たわっているあなたの愛する人を救いたいと思うのは誰でも同感するであろう。
 だが、一人の人を助ける行為と多数の人(ただし他人)を助ける行為とどちらが倫理的に正しい行為(道徳的)と言えるだろうか?
 これはいろいろ内容(状況)を変化させることができる。たとえば、
 自国と他国が戦争状態にあるとして、A2:敵国の人間だがあなたの愛する人 + B2:自国の人間だが赤の他人の3名。
 あなたが10年来飼っている愛猫(A3)+ あなたが嫌っている悪徳政治家(B3)・・・。

 もちろん、倫理原則上どちらが正しいかという問題とは別に、あなたの属している国の裁判所はどう判断するだろうか、敵国の裁判所はどう判断するだろうか等々、実際的な問題はいろいろあります。

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