バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

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 個人的な人間の存在は川のようなものであろう。最初は小さく,狭い土手の間を流れ,烈しい勢いで石をよぎり,滝を越えて進む,次第に川幅は広がり,土手は後退し、水はより静かに流れ,ついにはいつのまにか海へと流れ込み,苦しむこと無く,その個人的存在を失う。老年になってこのように人生を見られる人は,死の恐怖で苦しまないであろう。なぜなら,彼が気にかけ育んだ事物が存在し続けるからである。そうして,生命力の減退とともに物憂さが増すならば,休息したいとの思いは歓迎されざるものではないだろう。私は,他人が私のもはやできないことをやり続けていいるのを知り,また可能な限りのことはやったのだという思いで満足し,いまだ仕事をしているうちに死にたい。

An individual human existence should be like a river: small at first, narrowly contained within its banks, and rushing passionately past rocks and over waterfalls. Gradually the river grows wider, the banks recede, the waters flow more quietly, and in the end, without any visible break, they become merged in the sea, and painlessly lose their individual being. The man who, in old age, can see his life in this way, will not suffer from the fear of death, since the things he cares for will continue. And if, with the decay of vitality, weariness increases, the thought of rest will not be unwelcome. I should wish to die while still at work, knowing that others will carry on what I can no longer do and content in the thought that what was possible has been done.
 Source: How to grow old, 1951.
 More info.: https://russell-j.com/beginner/0958HTGO-040.HTM

<寸言>
 美空ひばりの唄に「川の流れのように」というのがあります。「ひばり最後の歌う映像」(YouTube)として下記にアップロードされています。
 ラッセルの言葉のようなスケールはなく、ラッセルの言っていることの一部を表現しているだけですが、良い唄です。
 https://youtu.be/d_Ns_B23LT0

 知らず知らず 歩いて來た 細く長いこの道
 振り返れば 遙か遠く 故郷が見える
 でこぼこ道や 曲がりくねった道
 地図さえない それもまた 人生
 ああ 川の流れのように
 ゆるやかに いくつも時代は過ぎて
 ああ 川の流れのように とめどなく
 空が黄昏に染まるだけ
 ・・・・
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