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心理学的にいえば,年を取ってから(そうならないように)警戒すべき危険が二つある。その一つは過去への不当な執着である。・・・もう一つの避けるべきことは,子供の生命力から活力を吸収したいと思って,子供に執着することである。・・・。私は,子供に対し関心を持つべきでないといっているのではなく,人の関心は静観的(観想的)であるべきであり,また,可能ならば,博愛的であるべきだが不当に情緒的であってはならない,と言いたい。動物は,子供が自活ができるようになるやいなや子供に関心をもたなくなるが,人間は幼児期が長いためにこのことが困難だと思うのである。
Psychologically there are two dangers to be guarded against in old age. One of these is undue absorption in the past. ... The other thing to be avoided is clinging to youth in the hope of sucking vigour from its vitality. ...I do not mean that one should be without interest in them, but one’s interest should be contemplative and, if possible, philanthropic, but not unduly emotional. Animals become indifferent to their young as soon as their young can look after themselves, but human beings, owing to the length of infancy, find this difficult.
Source: How to grow old, 1951.
More info.: https://russell-j.com/beginner/0958HTGO-020.HTM
<寸言>
日本人は、添付した画像の中の "mothers-in-law"を、妻からみた義母ととって、夫の母親からいじめられる妻(嫁)をイメージする人が多そうです。しかし、2年前に引用した「ラッセルの言葉366_画像版n.0486j (Mar. 1, 2018)を読んでいる方は、そんな先入観は払拭しているはずです(?)。正解は、夫からみた義母です。念の為、2年前に書いた「寸言」を再度あげておきます。
https://russell-j.com/smart_r366/r366g_j0486.html
【 "mother-in-law” は、日本人は、「お嫁さんから見た義母(しゅうとめ)」のことだ考えて、「義母にいじめられる嫁」のイメージを抱きやすい。しかし、その後ろに書かれているラッセルの文章(その失敗は,「妻のママさん」というジョークが生まれた。ジョークのねらいの一つは,考えることを妨げることであるが-- このジョークの場合,そのねらいは見事に的中した。人に頼るように育てられた少女は,当然自分の母親に頼るようになるので・・・)の内容とあわないことに気づくはず。気づかなければこのへんの文章は理解できない。米国などでは、「義母にいじめられる嫁」ではなく、「★義母を嫌う夫」のほうがよくある例(つまり、夫から見た義母のこと。「嫁にとっての実の母」がいろいろ口をだしてきてわずらわしいということ)であることに気が付かなければならない。つまり、母親から独立していない(依頼心の強い女性)が結婚することによってもたらされる悲劇を言っている。】
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