バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

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 所有欲 - 物あるいは所有権(物に対する権利)をできるだけ多く持ちたいという願望は,必需品に対する欲求と(不足への)恐怖心とが結びついたところにその根源がありそうな動機です。私は,かつて,飢饉のために死ぬことをやっとのことで免れたエストニアから来た二人の少女と友達になったことがありました。彼女達は私の家族と一緒に住み,当然のこと,食べるものは十分ありました。しかし,二人は,暇さえあれば,近所の畑に行って,じゃがいもを盗み,それを貯えました。ロックフェラーも幼年時代に極貧を経験しましたが,大人になっても,同様な生活ぶりをしました。

Acquisitiveness - the wish to possess as much as possible of goods, or the title to goods - is a motive which, I suppose, has its origin in a combination of fear with the desire for necessaries. I once befriended two little girls from Estonia, who had narrowly escaped death from starvation in a famine. They lived in my family, and of course had plenty to eat. But they spent all their leisure visiting neighbouring farms and stealing potatoes, which they hoarded. Rockefeller, who in his infancy had experienced great poverty, spent his adult life in a similar manner.
 Source: What Desires Politically Important? 1950
 More info.: https://russell-j.com/beginner/0944WDPI-040.HTM

<寸言>
 ジョン・ロックフェラー(1839-1937)は、歳をとって実業界から引退した後、慈善活動を行ったことで世界的に知られています。従って、「ロックフェラーは幼年時代に極貧の経験しましたが、大人になっても、同様な生活ぶりをしました」というのは、あくまでも貧乏性がなくならなかったと言っているだけのことです。
 ちなみに、東京大学の総合図書館(本郷キャンパス)は関東大震災で焼失してしまいますが、ロックフェラーの長男(ただし5番目にして唯一の男子)のロックフェラー, ジュニア(1874-1960;ロックフェラー財団の創設者)から贈られた400万円(現在の貨幣価値で40億くらい?/大正2年の1円は現在の1,080円の価値があったそうですので、約1,000倍をかければよさそうです)によって再建されています。総合図書館の正面は、本をたてかけたようなデザイン(内田祥三氏設計)になっていて多くの人に愛されています。NHKの特別番組他、マスコミによって度々紹介されているので、ご存知の方も多いと思われます。

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