バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

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 トルストイは,権力の保持者も無抵抗手段にあえば道徳的に再生させられるだろうということを,非常に偉大な説得力をもって説いたが,1933年以降のドイツに対してはそれは明らかに真理ではなかった。トルストイは,権力の保持者がある点を越えてまで冷酷ではないという場合にのみ正しい。しかし,ナチスの冷酷さはこの限界点をはるかに越えていた。

The doctrine which Tolstoy preached with great persuasive force, that the holders of power could be morally regenerated if met by non-resistance, was obviously untrue in Germany after 1933. Clearly Tolstoy was right only when the holders of power were not ruthless beyond a point, and clearly the Nazis went beyond this point.
 Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.2
 More info.: https://russell-j.com/beginner/AB25-030.HTM

<寸言>
 自国に都合の悪い歴史的事実は実際は存在していない(いなかった)と主張する人間はどの国にもけっこういます。現在なら、映像も写真も捏造できますが、昔はそんなことはできませんでした。アウシュビッツについては写真やアウシュビッツ収容所の生き残りの証言など、非常にたくさんの記録が残されています。
 過去の国家的犯罪を過小評価しても過大評価をしてもいけませんが、そうしないためには、歴史的事実について自分で(個人個人が)努力して学ぶ以外にありません。よくある態度は、他国の不都合な事実は認めるのに自国の不都合な事実は過小評価することです。南京事件や満州731部隊による生体解剖事件などは証拠がかなり存在していますが、そういった事実はなかったとか、あったがとても小規模なものだったと根拠なく主張する「保守層」がけっこういます。

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