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そうした環境(注:二人の子供が生まれたこと)にあって,私が教育に関心をもつようになるのは自然であった。私は既に,『社会再建の原理』(1916年刊)において教育の問題について簡潔に書いていた。しかし今や教育の問題が私の心の大部分を占領したのだった。私は,『教育について--特に幼少時における』という本を書き,1926年に出版され,かなりの売れ行きを示した。『教育論』について今考えれば,その本の基礎に置いた心理学はいくらか楽観的過ぎたように思われる。しかし,私が提案した方法は -ごく幼い子供たちをとり扱うのには,不当に厳しすぎたように今では考えるが- 価値基準(何に価値を置くか)については,自説を撤回すべき点はないと考える。
In the circumstances it was natural that I should become interested in education. I had already written briefly on the subject in Principles of Social Reconstruction, but now it occupied a large part of my mind. I wrote a book, On Education, Especially in Early Childhood, which was published in 1926 and had a very large sale. It seems to me now somewhat unduly optimistic in its psychology, but as regards values I find nothing in it to recant, although I think now that the methods I proposed with very young children were unduly harsh.
Source: The Autobiography of Bertrand Russell, v.2
More info.:https://russell-j.com/beginner/AB24-020.HTM
<寸言>
ラッセルは1920年代後半から1930年代の前半にかけて、一般向けの本、いわゆる popular books (悪くいえば、生活のための「お金稼ぎ」や幼児学校経営のための「資金稼ぎ」のための読みやすい本)をたくさん書いて出版しました。それらのなかで、日本で最もよく売れているのは、『幸福論』(1930年)で、次に『教育論』が読まれ、『結婚論』もそこそこ読まれています。
上記以外に、『相対性理論入門』(ABC of Relativity, 1925)も名著で邦訳もでていますが、残念ながら現在の日本ではそれほど読まれていません。
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