ラッセル関係電子書籍一覧 |
学校では,生活の多くの側面が現れてこない。学校は,人為的な世界であり,そこでの問題は,世間一般の問題ではない。(全寮制の寄宿学校で学び)休暇の間だけ家に帰り,その間家族全員からちやほやされる少年は,毎朝毎晩家にいる少年よりも,生活の知識を身につける見込みがずっと少ない。・・・休暇のときには,家庭の雰囲気は,若い人たちによって支配されがちである。その結果,彼らは倣慢で気むずかしくなりがちであり,また,おとなの生活の種々の問題については何も知らずに,両親からまったく遊離してしまいがちである。
In a school, many aspects of life do not appear ; it is an artificial world, whose problems are not those of the world at large. A boy who is only at home during the holidays, when everybody makes a fuss over him, is likely to acquire far less knowledge of life than a boy who is at home every morning and evening. ... In holidays, the atmosphere of home is apt to be dominated by the young people. Consequently, they tend to become arrogant and hard, ignorant of the problems of adult life, and quite aloof from their parents.
Source: On Education, especially in early childhood, 1926, by Bertrand Russell
More info.:https://russell-j.com/beginner/OE17-020.HTM
<寸言>
つまり、中学校以下(人によっては高校生以下)の全寮制の学校はあまりよろしくない場合が多いということ。勉強だけしてればよく、友達や教師以外には、他人に気を使う必要がない。従って、世の中にいる多様な人間の気持ちや考え方について、また自分の家族についても、あまり知ることなく大人になってしまう。社会にはいっていろいろ問題を起こすことによって、この子はどういう教育や躾をされてきたのか、「親の顔が見たい」と言われることになってしまう。
ラッセル関係電子書籍一覧
#バートランド・ラッセル #Bertrand_Russell