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現実の世界が十分に快いものでないときには,我々は皆,空想の世界に逃れがちである。空想の世界においては,私たちの欲望は大した努力をしなくても満たされる(からである)。これこそが,ヒステリーの本質である。それはまた,国家主義者の・神学的・階級的/神話の源泉でもある。それは,今日の世界でほとんど一般的になっている性格の弱さを示している。この性格の弱さと闘うことが,後期の学校教育の目標の一つでなければならない。
When the real world is not sufficiently flattering we all tend to take refuge in an imaginary world, where our desires are gratified without great effort. This is the essence of hysteria. It is also the source of nationalist, theological, and class myths. It shows a weakness of character which is almost universal in the present world. To combat this weakness of character should be one of the aims of later school education.
Source: On Education, especially in early childhood, 1926, by Bertrand Russell
More info.:https://russell-j.com/beginner/OE16-060.HTM
<寸言>
子供は大人のようにいろいろできないが、空想の世界においてはそれは可能となる。しかし、大人になり、自分の脳力・能力の限界に気づき、欲求不満がたまっていく。
現実と向き合っていてばかりいたら精神がもたない。世間の複雑な、こまごまとしたことは親(大人になった者にとっては、政治家や官僚などの権力者)にまかせ、子どもの空想の世界に逃避したくなる。
幸いなことに? 政治家はいろいろな神話を創ってくれるので、それにのっかっていればしばしの間、現実を忘れることができる。そうして、自分の空想をそれらの権力者が満たしてくれないとわかった時には彼らを追放し、新たな空想を与えてくれる人や対象に期待する。
その繰り返し。
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