バートランド・ラッセルの名言・警句( Bertrand Russell Quotes )

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 残酷な形態の理想主義に向う傾向は、幼年時代における不幸によって増大されるものであり、幼少の頃の教育が情緒においてそのあるべき姿であったのであれば、軽減されるだろう、と私は考える。狂信主義は、一部は情緒的な欠陥であり,一部は知的な欠陥である。狂信主義は、人々を親切にするような種類の幸福と科学的な精神の習慣を生みだす種類の知性とによって除去しようと努力が行われる必要がある。

I think the tendency to cruel forms of idealism is increased by unhappiness in childhood, and would be lessened if early education were emotionally what it ought to be. Fanaticism is a defect which is partly emotional, partly intellectual; it needs to be combatted by the kind of happiness that makes men kindly, and the kind of intelligence that produces a scientific habit of mind.
 Source: Power, a new social analysis, 1938, by Bertrand Russell
 More info.:https://russell-j.com/beginner/POWER18_310.HTM

<寸言>
 幼少期に育まれた強い思いは、良きにつけ悪しきにつけ、その人の一生に大きな影響を及ぼす。
 幼少期に充足されなかった欲求は、時に世間に対する不満や憎しみになったり、それらの欲求を満足させるための権力(政治的権力、経済的権力、あるいは宗教などの精神的権力など)の追求に向かわせたりする。
 もちろん、むき出しの権力追求は人々から嫌われ、権力獲得のさまたげとなる。従って、多くの場合、憎しみはカモフラージュされ、「国民の幸福のため」「国民の命を守るため」といった理想主義の衣をまとって、より強い権力の獲得へと邁進する。
 その極端な形は狂信的な信条(狂信主義)を抱くことであり、世界に害悪をばらまくことになる。

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