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私は,この上なく有徳ないくらかの人たちも含めて,多くの人が,事実は不都合なものであると気づいていることを十分認める。しかしそのように思うのは,それら人たちの美徳のある種のひ弱さのせいである。真にたくましい倫理は,世の中で実際に起こっていることを全て知ったとしても,ただ強化されるだけのものである。・・・若い人たちに残酷さへの嫌悪感を植えつけないかぎり彼らは残酷さをやめないだろうし,残酷さが世の中にあるということを知らないかぎり残酷さへの嫌悪感を持つことはできないのである。
I quite admit that many people, including some of the most virtuous, find facts inconvenient, but that is due to a certain feebleness in their virtue. A truly robust morality can only be strengthened by the fullest knowledge of what really happens in the world. We must not run the risk that the young people whom we have educated in ignorance will turn to wickedness with delight as soon as they discover that there is such a thing. Unless we can give them an aversion from cruelty they will not abstain from it; and they cannot have an aversion from it if they do not know that it exists..
Source: On Education, especially in early childhood, 1926, by Bertrand Russell
More info.:https://russell-j.com/beginner/OE11-120.HTM
<寸言>
日本政府には 「由らしむべし知らしむべからず」(人民を為政者の施政に従わせることはできるが、その道理を理解させることはむずかしい。転じて、為政者は人民を施政に従わせればよいのであり、その道理を人民にわからせる必要はない)の精神が行き渡っています。
自分の説明能力の貧弱さを棚に上げ、「物言えば唇寒し秋の風」と具体滝な説明をさけ、「説明できないこと」(=説明が難しいことではなく、本音を言ったらまずいこと)があるとオウム(あるいは壊れたレコード)のように繰り返す菅総理。
安倍前総理も不規則発言が多かったが、菅総理はもっと失言が多くなりそう。官房長官の時と違って、「問題ない」「答える必要はない」と繰り返すわけにはいかない立場にあるはずです。
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